治療法や治療薬の種類

治療法や治療薬の種類

主な治療法

糖尿病の主な治療法は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つです。食生活の改善や運動を行いつつ、薬によって体内のインスリン分泌量・吸収効率を整えていきます。そのため、医師の治療に頼るだけでなく日々の生活習慣を見直していかなければなりません。食事療法では、患者の状態に応じて必要な栄養を過不足なく取れるような食事を指導します。運動療法は、運動を行うことでインスリン吸収効率を上げ、ブドウ糖をスムーズにエネルギーへ変換できるように促していきます。
薬物療法は大きく分けて「飲み薬」と「注射薬」の2つを用いて治療を進めていきます。インスリンを体内に直接取り入れる薬やインスリンの分泌を促す薬などいくつかの種類があり、状況に応じて使い分けなければなりません。2型糖尿病は生活習慣の乱れが原因であることがほとんどなので生活習慣改善にも注力していきますが、それだけでは効果が見込めない場合に服薬による治療を行います。

薬物療法に用いられる薬の種類

「SU薬(SU剤・スルホニルウレア)」は、すい臓の細胞に働きかけてインスリンの分泌量を増やす薬です。主に、すい臓の機能が弱っており分泌量が十分ではない患者に用いられます。副作用として低血糖症状が出ることがあるので、その場合は糖分を補給するなどの措置が必要です。
「α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI薬)」は、血糖値の上昇を抑える薬です。糖質の分解酵素であるα-グルコシダーゼの働きを阻害し、腸内ででんぷんや砂糖が吸収されるのを抑えます。その結果ブドウ糖の吸収が緩やかになり、食後の急激な血糖値上昇を防ぎます。副作用として、空腹感・腹部の違和感・下痢などの症状があります。
「ビグアナイド薬(BG薬)」は、インスリンの吸収効率を上げる薬です。肝臓が糖を生成して血液に送る働きを抑えて、血糖値の上昇を防ぎます。
「チアゾリジン薬(TZD薬)」は、別名「インスリン抵抗性改善薬」と呼ばれます。インスリンの吸収効率を上げて、血液中のブドウ糖が筋肉などに吸収されやすくなるように促します。
「インスリン製剤」は、体内で生成されるインスリンの量が必要量まで至らない場合に使用されます。糖尿病治療で用いられる薬の中でも比較的強い治療薬です。直接体内にインスリンを取り込むことになるので、投与量には十分注意しなければなりません。
その他だと、「GLP-1製剤」「SGLT-2阻害薬」「DPP-4阻害薬」などが糖尿病の薬物療法に用いられます。

糖尿病について深く知る

  • 糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    国内の糖尿病患者のほとんどは「2型糖尿病」を患っています。主に、生活習慣の乱れが原因で発症します。血糖値の異常を放置し続けていると重大な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が求められます。

  • 自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    「1型糖尿病」はインスリンの継続補充が必須の難病です。発症率が非常に低いので臨床現場で担当する機会は少ないかもしれませんが、糖尿病ケアのプロフェッショナルとして活躍していくのであれば知っておかなければなりません。

  • 糖尿病看護認定看護師

    糖尿病看護認定看護師

    「糖尿病看護認定看護師」は糖尿病に関する高度な知識と技術を有した者にのみ与えられる専門資格です。試験を受けるためには一定の看護実績が求められるため、資格取得を目指す人はあらかじめ要件を確認しておきましょう。

糖尿病治療での看護師の役割

看護師として糖尿病ケアに携わる人に役立つ知識をまとめています。転職に関する情報も紹介していますので、興味のある人はぜひ参考にしてください。なお、当サイトへのお問い合わせは【こちら】からお願いいたします。