糖尿病療養指導士

糖尿病療養指導士

資格の概要

糖尿病療養指導士は、糖尿病に関する専門知識を持ち、糖尿病患者の生活を理解した上で自己管理方法や療養を指導する専門家です。「CED(Certified Diabetes Educator)」とも呼ばれますが、これを直訳すると「認定糖尿病教育者」という意味になります。アメリカやカナダなどでは1970年代から糖尿病患者への専門的な指導の必要性が叫ばれており、その結果1986年に正式な資格制度が設けられました。医療技術の進化は日進月歩であり最新知識の学習が必須であることから、この認定制度は5年ごとの更新が必要です。

求められる役割

糖尿病は命を落とすリスクのある合併症を引き起こす重大な病気です。そして、患者数は年々増え続けています。糖尿病の予防や治療には正しい知識と生活習慣の改善が求められますが、その際に活躍するのが糖尿病療養指導士です。糖尿病に関する専門知識を用いて、臨床現場における生活指導のエキスパートとして患者を支援します。

2種類ある

糖尿病栄養指導士は2種類あります。ひとつが「日本糖尿病療養指導士(CDEJ)」、そしてもうひとつが「地域糖尿病療養指導士(LCDE)」です。日本糖尿病療養指導士は一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構が認定しており、すべての地域で同じ内容の研修と試験が実施されるため、認定者のレベルは一定です。一方、地域糖尿病療養指導士は各都道府県や地区が独自に定めているため、認定者のレベルに差があります。
日本糖尿病療養指導士は資格取得までに必要な時間や費用が比較的多いので、個人の負担が大きいです。それに比べると地域糖尿病療養指導士は移動距離や費用を抑えられるので取得しやすいといえます。他者から一定の評価を受けたければ日本糖尿病療養指導士、地域に根差した糖尿病ケアをしたいなら地域糖尿病療養指導士と分けて考えて、自分に合う方を選択しましょう。

主な職場や仕事内容

糖尿病療養指導士の主な職場は病院やクリニックです。特に、糖尿病専門外来がある病院やクリニックで需要が高い傾向にあります。その他だと、薬局や給食会社、介護施設、保健センターなどが候補となります。
病院やクリニックでは、主に患者への栄養指導を行います。また、糖尿病患者や糖尿病に関心のある人に向けて開催される糖尿病教室の業務もあります。糖尿病療養指導士として経験を積めば、学会や地域が開催するセミナーで発表する機会もあるでしょう。

資格取得のメリット

糖尿病療養指導士の資格を取得するためには一定の実務経験が必要です。自験例の記載が必須なため、記録していくうちにこれまでの療養指導経験を振り返ることができます。また、一般的な研修やセミナーでは得られないような知識を学べます。糖尿病ケアに力を入れる医療機関が増えているので、転職活動においても有利に働くでしょう。

糖尿病について深く知る

  • 糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    国内の糖尿病患者のほとんどは「2型糖尿病」を患っています。主に、生活習慣の乱れが原因で発症します。血糖値の異常を放置し続けていると重大な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が求められます。

  • 自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    「1型糖尿病」はインスリンの継続補充が必須の難病です。発症率が非常に低いので臨床現場で担当する機会は少ないかもしれませんが、糖尿病ケアのプロフェッショナルとして活躍していくのであれば知っておかなければなりません。

  • 糖尿病看護認定看護師

    糖尿病看護認定看護師

    「糖尿病看護認定看護師」は糖尿病に関する高度な知識と技術を有した者にのみ与えられる専門資格です。試験を受けるためには一定の看護実績が求められるため、資格取得を目指す人はあらかじめ要件を確認しておきましょう。

糖尿病治療での看護師の役割

看護師として糖尿病ケアに携わる人に役立つ知識をまとめています。転職に関する情報も紹介していますので、興味のある人はぜひ参考にしてください。なお、当サイトへのお問い合わせは【こちら】からお願いいたします。