糖尿病ケアに関わる職場に転職するにあたってまず考えておくべきなのが、「なぜ糖尿病ケアに携わりたいと思ったのか」を明確にすることです。内科・外科、あるいは呼吸器科・循環器科・消化器科など、多岐に渡る診療科がある中でなぜ糖尿病ケアを選んだのかを、今一度考えてください。例えば、本音が「なんとなく楽そうだから」だとして、「患者とじっくり向き合えるから」「患者と接する時間を増やしたいから」という建前の志望動機を作成したとします。しかし、このような志望動機は他の診療科でも叶えられます。なぜ糖尿病ケアなのかを具体的に示さなければ意味がありません。「過去に受け持った患者や身内に糖尿病患者がいて、それがきっかけで糖尿病ケアに携わりたくなった」など、明確な動機が必要です。
上記でも述べた通り、「周囲や身内に糖尿病の人がいたから」という理由は面接官も納得しやすいでしょう。その際は、できるだけ具体的なエピソードを交えて伝えてください。「父が糖尿病で療養生活を日頃から支えています。その経験を仕事でも活かしたいと思い希望しました」「知人に1型糖尿病の人がおり、一緒に外出する際や食事時に苦労しているのを間近で見てきました。どういった時に困るのかを理解しているので、糖尿病ケアについてより深く学べる職場に転職し、解決方法を探っていきたいと考えました」など、実体験を基にしましょう。実体験を基にした志望動機ならスムーズに話せますし、相手にも伝わりやすくなります。身近な人に糖尿病の人がいないのであれば、実習などで糖尿病患者を受け持った際のエピソードでも大丈夫です。
これまである程度看護師としての経験を積んだ後に転職する場合、「糖尿病の指導経験の有無」が重視されます。糖尿病患者の入院は、救急ではない限り「教育入院」であることがほとんどです。治療だけでなく指導をする必要があり、看護師は重要な役割を担います。指導経験のない看護師が転職する場合、このことに触れておかなければ「なぜ未経験にもかかわらず志望したのか」が分からないので、不採用になる確率が高まります。糖尿病の指導は非常に根気のいる作業です。すべての患者が治療に納得して受け入れてくれるわけではありません。そのため、指導経験がなく深い理解もないまま糖尿病ケアに携わると、「こんなに大変だったのか」と後悔することになってしまいます。経験がないという理由だけで不採用になることはありませんが、その場合は「未経験でも挑戦したい理由」「糖尿病の指導に対する関心」を示すことが大切です。
国内の糖尿病患者のほとんどは「2型糖尿病」を患っています。主に、生活習慣の乱れが原因で発症します。血糖値の異常を放置し続けていると重大な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が求められます。
「1型糖尿病」はインスリンの継続補充が必須の難病です。発症率が非常に低いので臨床現場で担当する機会は少ないかもしれませんが、糖尿病ケアのプロフェッショナルとして活躍していくのであれば知っておかなければなりません。
「糖尿病看護認定看護師」は糖尿病に関する高度な知識と技術を有した者にのみ与えられる専門資格です。試験を受けるためには一定の看護実績が求められるため、資格取得を目指す人はあらかじめ要件を確認しておきましょう。
看護師として糖尿病ケアに携わる人に役立つ知識をまとめています。転職に関する情報も紹介していますので、興味のある人はぜひ参考にしてください。なお、当サイトへのお問い合わせは【こちら】からお願いいたします。