糖尿病看護認定看護師

糖尿病看護認定看護師

資格取得者の需要が伸びている

現在、世界の成人人口の約5%が糖尿病であり、2025年には約3億8,000万人が糖尿病になるといわれています。日本においては糖尿病予備軍を含めると2,210万人もいて、増加のスピードは上がっていく一方です。糖尿病は生涯に渡って治療が必要な慢性疾患です。その時々の状態に応じてアセスメントを行い、適切な支援を行っていかなければなりません。このような状況の中で、糖尿病看護認定看護師は糖尿病ケアに関する専門的な知識を用いて糖尿病患者をサポートしていく役割を持ちます。糖尿病看護は2000年に認定看護分野に特定され、資格取得者の需要は年々伸びています。

求められる能力

糖尿病看護認定看護師に求められる能力としてまず挙げられるのが「血糖パターンマネジメント技術」です。血糖値はひとつの事象によって決まるわけではなく、食事や運動の他、心理状態・生理周期・地域特性・職種などあらゆる要素が影響しています。これらの要素を含む対象を全人的に理解し、血糖管理の支援を行わなければなりません。
また、「フットケア技術」も重要です。糖尿病におけるフットケアは単に足の状態をケアするだけでなく、患者自身でフットケアができるように支援することが求められます。そのため、糖尿病足病変予防のための自己管理に関する指導能力が必要です。
「糖尿病ケアシステム立案技術」も求められます。施設や地域の中で必要な糖尿病ケアや糖尿病予防システムを指導・構築していきます。地域における糖尿病一次予防活動においては、様々な背景を有する国民すべてを対象者として糖尿病予防に向けた取り組みを支援していきます。

資格を取得するには

糖尿病看護認定看護師になるためには、一定の看護実績を有した上で指定の教育機関で学ぶ必要があります。「通算3年以上、糖尿病患者の多い病棟や外来での看護実績」「インスリン療法を行っている糖尿病患者や合併症を持つ患者の看護を5例以上担当した実績」「現在、糖尿病患者の多い病棟や外来、または在宅ケア業務に関わっていることが望ましい」などの条件があります。詳しくは以下のサイトを確認してください。

日本看護協会ホームページ 糖尿病看護 | 日本看護協会 日本看護協会の公式サイトです。糖尿病看護認定看護師の教育目的や資格取得に必要なカリキュラムが掲載されています。

必要な心構え

糖尿病管理に関する指導やアドバイスは、どれだけ正しい知識を有していても患者との信頼関係がなければ成り立ちません。そのため、誠意をもって患者と向き合う姿勢が必要です。相手の声に耳を傾け、信頼関係を築いていきましょう。また、糖尿病ケアはチーム医療で進めていくため、医師や薬剤師など各スタッフとの連携が重要です。

糖尿病について深く知る

  • 糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    国内の糖尿病患者のほとんどは「2型糖尿病」を患っています。主に、生活習慣の乱れが原因で発症します。血糖値の異常を放置し続けていると重大な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が求められます。

  • 自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    「1型糖尿病」はインスリンの継続補充が必須の難病です。発症率が非常に低いので臨床現場で担当する機会は少ないかもしれませんが、糖尿病ケアのプロフェッショナルとして活躍していくのであれば知っておかなければなりません。

  • 糖尿病看護認定看護師

    糖尿病看護認定看護師

    「糖尿病看護認定看護師」は糖尿病に関する高度な知識と技術を有した者にのみ与えられる専門資格です。試験を受けるためには一定の看護実績が求められるため、資格取得を目指す人はあらかじめ要件を確認しておきましょう。

糖尿病治療での看護師の役割

看護師として糖尿病ケアに携わる人に役立つ知識をまとめています。転職に関する情報も紹介していますので、興味のある人はぜひ参考にしてください。なお、当サイトへのお問い合わせは【こちら】からお願いいたします。