基本的な看護の流れ

基本的な看護の流れ

糖尿病患者が抱える看護問題

糖尿病時患者が病棟での治療を終え、退院した後は患者自身で糖尿病をコントロールしていかなければなりません。インスリン注射や血糖値測定などを毎日行う必要があります。そのため、入院中は糖尿病管理に関する血糖値不安定リスク状態を理解してもらい、低血糖時の対処法などをレクチャーします。高血糖が続く場合は早急に医療機関に連絡してもらうなど、退院後の適切な処置について理解・納得してもらうことも大切です。知識不足の状態で退院することのないよう、個々の理解力に沿って説明する必要があります。

看護問題ごとの対処法

看護問題ごとの対処法や看護計画について説明します。まず、「糖尿病に関する血糖不安定リスク状態」に対する目標は、「血糖をコントロールして意識障害にならないように日常生活を送ること」です。「通常の血糖コントロール値」「食前・食後の血糖値」「自覚症状の有無」が重要ですが、これに加えて食事療法や運動療法を取り入れた場合の数値も考慮して観察していきます。
退院する患者に対しては、「各療法の個々に合った自己管理指導」「血糖コントロール不良時の原因や対処法の指導」「周囲のサポートがある場合、適切に観察してもらうための指導」が必要です。知識不足による不慮の事態を避けるためには、「疾患や治療に対する理解」「各療法の正しい方法と留意点」「検査データの理解」「自己管理に対する意欲」が求められます。
自己管理方法を正しく理解してもらうためには、パンフレットやビデオを用いて分かりやすく説明するなどの工夫が必要です。また、日々の血糖値の記入や各療法の細かい指導も大切です。特に、薬物療法は薬の量やタイミングを間違わないように注意しなければなりません。患者や家族の理解度は個々で異なるので、画一的な指導ではなく状況に応じた対応が求められます。

糖尿病患者の看護過程

糖尿病患者への看護過程は、主に「看護アセスメント」「看護診断」「看護計画」「看護介入」「看護評価」の5つからなります。アセスメントの視点としては、「現病歴と既往歴」「生活習慣」「自覚症状」「疾患や治療に対する知識の有無」「自己管理意欲の有無」「周囲のサポート体制」などが不足していないかを確認する必要があります。看護診断や看護計画は個々の状況に応じて作成し、その上で看護介入を行います。基本的に、食事療法や運動療法の説明、インスリン注射と血糖値測定などの指導がメインとなります。看護介入後も継続的に評価を行い、必要に応じて看護計画を修正していきます。

糖尿病について深く知る

  • 糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    糖尿病患者の多くを占める「2型糖尿病」

    国内の糖尿病患者のほとんどは「2型糖尿病」を患っています。主に、生活習慣の乱れが原因で発症します。血糖値の異常を放置し続けていると重大な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な治療が求められます。

  • 自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    自己免疫によって起こる「1型糖尿病」

    「1型糖尿病」はインスリンの継続補充が必須の難病です。発症率が非常に低いので臨床現場で担当する機会は少ないかもしれませんが、糖尿病ケアのプロフェッショナルとして活躍していくのであれば知っておかなければなりません。

  • 糖尿病看護認定看護師

    糖尿病看護認定看護師

    「糖尿病看護認定看護師」は糖尿病に関する高度な知識と技術を有した者にのみ与えられる専門資格です。試験を受けるためには一定の看護実績が求められるため、資格取得を目指す人はあらかじめ要件を確認しておきましょう。

糖尿病治療での看護師の役割

看護師として糖尿病ケアに携わる人に役立つ知識をまとめています。転職に関する情報も紹介していますので、興味のある人はぜひ参考にしてください。なお、当サイトへのお問い合わせは【こちら】からお願いいたします。